猫ロケット

夜空の星はねこの輝き。アニメ感想とか書きます。

「ストライクウィッチーズ2」5話「私のロマーニャ」

ルッキーニちゃんテラフリーダムwwwww

という感じの5話。

いちばん印象的なのは行きずりのお嬢様っぽい女の子にロマーニャ上空の景色を見せてあげるシーンなんだけど、この時のルッキーニの台詞がまたすごい。ネウロイと戦うのが恐ろしくないのかと問われ、この答え。

『だって、ネウロイやっつけないとロマーニャなくなっちゃうじゃん。みんなの家とか友達を守るのが、ウィッチだもん』

いや、ほんとルッキーニちゃんは大物。この「守る」ことへの気負いのなさは501でも随一だよね。「守りたいんです!」と声高に叫ぶ芳佳や、気持ちが先走って自分の身を危険に晒してしまうバルクホルンなんかと比べると、ほんとに軽い。

もちろんそれは守りたい気持ちが弱いなんてことじゃなくて、物事の捉え方が極めてシンプルだからなんじゃないかな。みんなの家とか友達を守りたいし、自分にはその力がある。ルッキーニにとってはそれだけの事なんじゃないかと。

そんなことを思った回でした。

「ストライクウィッチーズ2」4話「かたい、はやい、ものすご〜い」

トゥルーデかわいい!
シャーリーかわいい!


さて、主題についてすべて書き尽くしたので以下蛇足です。


ストライクウィッチーズ2」4話、素晴らしかった。


ウィッチーズ隊に届けられた新型ストライカーユニットの試作機。新型機はこれまでの旧型を圧倒的に上回る性能を持ち、テストパイロットのトゥルーデはぜひ採用すべきだと大はしゃぎ。しかし、その高い性能と引き換えにに搭乗者*1の魔力を著しく消耗してしまうという欠点も抱えており、これを使い続ければパイロットの生命が危ういことは誰の目にも明らかでした。


それでも、たとえ自分の身を危険に晒してでもテストを続行すべきだと主張するトゥルーデ。彼女を突き動かしているのは、かつて故国を守れなかったという自責の念と、その反動としての力への渇望です。


その一途さはトゥルーデの美点でもあり、戦う意志を支えるものでもあります。しかし一方でその態度は「強さのためなら自分を犠牲にしてもいい」という自虐含みの使命感に簡単にすり替わってしまう危険性もはらんでいます。*2 *3


シャーリーはその危険性を見抜いており、あくまでテストを強行しようとするトゥルーデを「死んでは意味が無い」といつになく強い口調で諌めます。シャーリーはこれまで、おおらかで物事にこだわらない性格として描写されてきており、強く感情をあらわにするこのシーンは非常に印象的でした。


4話は暴走気味のトゥルーデを静止するシャーリー、という構造を軸にしつつ進んでいくわけですが、この構造がクライマックスのシーンで実際の絵として表現されていて、アニメっていいなあと素直に感じました。また、1期4話では助けられる側だったシャーリーが助ける側に回っているという対比にもなっているのも思わずにやりとしてしまうシーン。というわけで1期との対比を完全にするために、DVD/BD版ではトゥルーデとシャーリーの服がバラバラになるべきだと思いました。


また、トゥルーデとシャーリーの絡みの他にも、気の利いた機転でバルクホルンを助けるエーリカ、ついでにルッキーニの子どもっぽい独占欲にまで触れた密度の高い回でした。そしてごはん係に降格した主人公の宮なんとかさんは……まあ、リーネちゃんとずっと過ごせたので当人的には良かったのかもしれません。



さて、この回を見たとき、トゥルーデにとってシャーリーはちょうどいい距離感の「友達」なのかもしれないと思いました。エーリカやミーナだってもちろん大切な仲間なんだけど、同じ祖国のために戦った戦友という側面が強いというか、家族みたいな存在なのではないかっていう気がするんですよね。


トゥルーデの価値観って強いとか勝ち負けとかまるで小学生男子なところがあって、そんな彼女にとって「友達」とは、ささいなことで張り合ったり馬鹿みたいなことで勝負したりする相手なのではないかと思うわけなのです。


で、ひょっとしたらシャーリーは相手の望む形でコミュニケーションできる子なのかもしれませんよね。母の面影を求めて甘えたいルッキーニには母のように、張り合って遊びたいトゥルーデにはケンカ友達として。


トゥルーデの(たぶん自覚していない)望みを優しく受け止めるシャーリー。そんな彼女の懐の深さを感じた回でした。深さというか、大きさと柔らかさ?

*1:ストライカーユニットって搭乗という表現でいいんだろうか。装着?

*2:なんかこのへん「天」で赤木しげるが井川ひろゆきに言った「責任をとる道は… もっとずーっと地味でまっとうな道…」という台詞を思い出すのだけど、それは余談。

*3:ところで「戦いのために自分を犠牲にしちゃいけない」ってのは1期4話ですでに解決したテーマじゃなかったっけ。今回のトゥルーデがまるで当時に逆戻りしてるみたいなのは、新規の人への補助線なのかしら。

ストライクウィッチーズ川柳(1-30)

6月21日から25日にかけて書いていたもののまとめ。

多くのものは、特定の場面と特定の登場人物のことを思い浮かべながら書いたが、二次創作という意識はあまりなかった。それよりは、後でこの作品について思い出すための「きっかけ」のようなつもりで書いている。

五七五の形でアニメの感想をまとめる利点は、とにかく簡単で、きちんとした文章になっていなくてもいいという事だった。私のように文章を書くのが苦手だと自認している人には、こういうやり方もあるのだと知ってもらえたら嬉しい。それとも、僕が知らないだけでどこかでは日常的に行われてたりするんだろうか?


【1】 蒼穹の 空翔ける魔女の 縞ズボン
【2】 目を閉じて 見える未来と あの笑顔
【3】 くるくると 回る石鹸 夢を乗せ
【4】 月明かり きみと漂う 雲の海
【5】 まあいいか そんな日もある 女の子
【6】 波しぶき 音より速き 魔女の影
【7】 影写し 空を泳いで 風に舞う
【8】 スースーする風を吸う吸うしたい
【9】 海風に 歌声は溶ける きみよ眠れ
【10】 いらん子と 呼ばれた昔 今淫乱
【11】 待ち遠しい 2009年 春発売
【12】 魔女どもの 打倒の秘策 麿にあり
【13】 旋律よ 遠い大地に 待つ者へ
【14】 今日だけと 眠る姿に 独り言
【15】 ありがとう はやいおっきいやわらかい
【16】 敵を討て 全てを見透す 赤き魔眼
【17】 秘め心 雷よりも なお猛く
【18】 妹よ、私の背中を見ているか?
【19】 見ちゃダメだ そんな目で見ちゃ ダメ、だけど
【20】 サンテレビ 電波よ届け 晴れの国
【21】 みおちゃんと おててつないで さんぽみち
【22】 雨の匂い 故郷の土地に 人は無く
【23】 やむを得ず 手に取るズボンの 群青色
【24】 ズボン無く 擦れて発電 黒タイツ
【25】 ここに立つ 魔女の血脈 背に受けて
【26】 肩車 怯む心に 立ち向かえ
【27】 繋いだ手 空の果てまで 導いて
【28】 湯気のぼる 揺れる三つ編み 解きほぐし
【29】 日輪に 魔女の航跡 輝いて
【30】 おっぱいを その手につかめ 扶桑撫子

ストライクウィッチーズから2人を選ぶ組み合わせ一覧

テレビアニメ版「ストライクウィッチーズ」のキャラクター11人から、2人を選ぶ組み合わせを抽出しました。
キャラクターの順番は公式サイトのキャスト表記順に従っています。ところどころ色が付いていますが、特に意味はないです。たぶん。

公式サイト
http://s-witch.cute.or.jp/

1 芳佳 美緒
2 芳佳 リーネ
3 芳佳 ペリーヌ
4 芳佳 ミーナ
5 芳佳 ゲルトルート
6 芳佳 エーリカ
7 芳佳 ルッキーニ
8 芳佳 シャーリー
9 芳佳 サーニャ
10 芳佳 エイラ
11 美緒 リーネ
12 美緒 ペリーヌ
13 美緒 ミーナ
14 美緒 ゲルトルート
15 美緒 エーリカ
16 美緒 ルッキーニ
17 美緒 シャーリー
18 美緒 サーニャ
19 美緒 エイラ
20 リーネ ペリーヌ
21 リーネ ミーナ
22 リーネ ゲルトルート
23 リーネ エーリカ
24 リーネ ルッキーニ
25 リーネ シャーリー
26 リーネ サーニャ
27 リーネ エイラ
28 ペリーヌ ミーナ
29 ペリーヌ ゲルトルート
30 ペリーヌ エーリカ
31 ペリーヌ ルッキーニ
32 ペリーヌ シャーリー
33 ペリーヌ サーニャ
34 ペリーヌ エイラ
35 ミーナ ゲルトルート
36 ミーナ エーリカ
37 ミーナ ルッキーニ
38 ミーナ シャーリー
39 ミーナ サーニャ
40 ミーナ エイラ
41 ゲルトルート エーリカ
42 ゲルトルート ルッキーニ
43 ゲルトルート シャーリー
44 ゲルトルート サーニャ
45 ゲルトルート エイラ
46 エーリカ ルッキーニ
47 エーリカ シャーリー
48 エーリカ サーニャ
49 エーリカ エイラ
50 ルッキーニ シャーリー
51 ルッキーニ サーニャ
52 ルッキーニ エイラ
53 シャーリー サーニャ
54 シャーリー エイラ
55 サーニャ エイラ


なんでこんなものを作ってしまったのだろう……

「迷い猫オーバーラン!」(1)

「迷い猫オーバーラン!」がいい感じにかわいくてねこだいすき俺まっしぐら。

迷い猫オーバーラン! 1 (ジャンプコミックス)

迷い猫オーバーラン! 1 (ジャンプコミックス)

ちせちゃんが頭を撫でられる描写はぞくぞくするなー。寂しがり屋の彼女は、頭を撫でられるとすごく気持ちよくなってしまうのだけど、「巧は自分の家来だから」というプライドから、すぐにその手を払い除けてしまう。



「き…気持ちいい」

はっ

「う…うるさい! ご主人はあたし!! 頭なでるのはあたしなの!!」

(第2話、84-85p)



ここから読み取れるのは、彼女はまだ彼女自身の欲望に対して十分に自覚的ではない、ということだ。当初から撫でられることが目的であれば「はっ」と我に返る反応はちょっと不自然である。

もしも撫でられることを予期していたのであれば、ここは「撫でて欲しいという本心」と「巧は家来だという建前」との葛藤になるはずなのだ。

だが彼女は、それほど自覚的ではない。「なぜか気持ちよくなっちゃってるけど、なでるのはわたし!」という認識にとどまっている。まだ「撫でて欲しいけど素直に言えない」という段階には至っていない。

今後、彼女がその欲求に気がつくことがあれば、物語はいやおうなく加速するだろう。

欲望とは欠落である。欠落は、人を行為に駆り立てる。


つまり、このままだとちせちゃんはたくみっちに頭をなでてほしくてたまらなくて昼も夜もじっとしていられないだめな子になっちゃう。どうしてなでてくれないのかなあ? なでてほしいのに! なでてなでてなでて! ねえ、なでて?


Wikipediaの「依存症」の説明によると、毎回ではなくたまに得られる報酬は行為への依存性を高めるのだという。このままだとちせちゃんはたくみっちに頭をなでてほしくてたまらなくて昼も夜もじっとしていられないだめな子になっちゃう!

                    • -

Wikipedia「依存症」
『報酬による行為の強化には、「行為A」のあとに必ず「報酬B」が与えられる定型的強化と、「行為A」のあと、気まぐれに「報酬B」が与えられる間欠的強化がある。間欠的強化のほうが、「行為A」への執着が高まることが知られており、これはギャンブル依存症発症の機序のひとつとされる』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87

クエスト「樹海遊撃隊」その3

 ギルド「ネコのテチョウ」はその後幾度かの戦闘を経て、夜を迎えた。
 そして、夜を迎えたとたん、何もかもが変わった。

 魔物たちは豹変した。

 より凶暴に。
 より素早く。
 より貪欲に。
 より狡猾に。
 闇からの不意打ち。
 倒しても倒しても湧いてくる。
 逃げても逃げても追ってくる。
 恐怖が彼らの気力を削いでいく。
 感覚が過敏になって、交代で眠ることすらできない。
 あらゆる物音が敵に思えた。
 闇の奥には無限の魔物たちが存在していて、その無限の悪意がすべて自分たちに向けられているように感じるようになった。彼らは孤独で、弱く、依頼を引き受けたことは大きな間違いだったと後悔するようになった。その弱気は正常な判断力を鈍らせ、危険を招きかねないと分かっていても、根源的な恐怖が全身の皮膚の内側にこびりついて離れなかった。夜は永遠に終わらないように思えた。


 夜が明けたとき、消耗は歴然としていた。
 犠牲者こそいないものの、誰もがひどく疲弊していた。

 特にひどいのはメディックだ。度重なる魔物の襲撃に傷ついた仲間を手当するうち完全に消耗しきっていて、治癒の術を使う余力も残っていなかった。

 彼らは早々に帰還することにした。もちろん報酬はもらえない。準備にかかった費用の分「ネコのテチョウ」は丸損だ。


 これまで順調すぎるぐらい順調に進んできていた「ネコのテチョウ」にとって、これは初めての敗北だった。

 4階の魔物は普通にやれば決して遅れを取るような相手ではなかった。彼らの敗因は、十分に注意しているつもりでも、それでもなお迷宮の恐ろしさを軽く見積もっていたことだ。そのせいで予想外の事態に陥ったとき、平常心を失ってしまった。

 彼らは一様に苦虫を噛み潰したような顔をしており、それぞれが自分の未熟さに打ちひしがれている。

 ただ一人だけ満足そうにしているのがガンナーだ。彼女だけは、まるでめいっぱい泥遊びをしてきた子供のような表情で堂々と帰還した。

「たくさんモンスターが撃てて楽しかった」

 出発したときには、彼女の小柄な体格には見合わないほど大量に持っていた弾薬もかなり減っており、ずいぶんと身軽になっていた。

「こういうの、またやろう」

「ほんと、お前の脳ミソって何が詰まってるのか見てみたいよ」

 メディックが心底呆れたように言った。

          • -

 任務は失敗に終わった。彼らは宿に戻るとすぐにベッドに潜り込み、眠った。毛布は暖かく、夢は見なかった。

クエスト「樹海遊撃隊」その2

ギルド「ネコのテチョウ」は4階の哨戒任務を引き受けることにした。

任務の内容は、3日間の間4階をうろつき、狩れるだけの魔物を狩るという、単純なものだ。

だがもちろん、単純さと難易度が比例するわけではない。3日間も戦い続けるというのは、並大抵のことではないだろう。特に「ネコのテチョウ」は迷宮での夜営は未経験だったから、何が起こるか分からない。

この迷宮では予想外のことは日常的に起こるのだ。

        • -

任務が始まった。これから72時間の間、4階をうろつき、狩れるだけの敵を狩る。

これまでの探索では、戦闘は目的ではなく、単なる障害であった。安全に先に進むことが第一義で、武器を取るのはやむを得ない場合だけだ。

だが今回の任務ではそれは全く逆で、魔物を倒し、殺し、狩り、駆逐することが目的だ。

それは「ネコのテチョウ」のメンバーが思っているよりも過酷な任務となるだろう。

とはいえ、彼らがその過酷さを思い知るのはもう少し後のことだ。今はまだ、メンバーの5人は比較的穏やかな気分で4階を歩いていた。

樹海は、魔物さえ出なければピクニックにうってつけの場所である。色とりどりの草花が咲く景色は目にも優しく、時折吹き抜けるやわらかい風は木々の間を通りさらさらと葉擦れの音を立てていた。日陰に残った朝露から立ち昇る、むせ返るほどの植物の匂い。

遠くの木々からは、魔物ではない普通の鳥たちの鳴き声が反響している。

魔物とはまだ遭遇しない。一行はやや拍子抜けしながらも、最初の食事を摂った。