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猫ロケット

夜空の星はねこの輝き。アニメ感想とか書きます。

明日は誰も知らない――「叛逆の物語」観たよ(2回め)

アニメ 魔法少女まどか☆マギカ

というわけで「映画 魔法少女まどか☆マギカ ほむら結婚!!? 未来につなぐ希望のリボン」……あっ、じゃない「劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」2回めを観てきました。


映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス
http://precure-movie.com/
劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語
http://www.madoka-magica.com/


2回観てもやっぱり素晴らしい。賛否両論になるという前評判でしたが、私はこのお話に諸手を挙げてヒャッハー!な立場です。理屈でいくとそうだよねって納得できる結論だし、心情的にはいいぞその調子だって感じ。いいぞほむらちゃん、その調子だ!

形はどうあれ生きることを肯定した結末だと思うんですよ。さかやちゃんもまどかちゃんも、何はともあれここにいる。生きていれば先が先があるし、今の彼女たちには想像もつかないような道がいくつだって見つかるでしょう。誰も知らない未来が両手に余るほどあふれている。バッドエンドなんかじゃないし、ハッピーエンドなんかでもなく、彼女たちのカラフルな人生の一歩に過ぎないのだと信じてみたいです。


映画を観る前は、正しすぎるまどかの分までほむらが間違える話だといいなーと書いた(公開日前日の感想)のですが、実際にだいたいそういう話だった(公開当日の感想)ので望んだものが観れて大変満足です。

まどかもほむらも人の話聞かなさ過ぎなのでようやく対話のテーブルが用意されたのはよいことです。お互いに相手の頭上を押さえて状況を無理矢理変えるというカードは使ってしまって、ようやく対等になったというか、ここから本番ですね。あとは思う存分千和喧嘩、じゃない痴話喧嘩すればよいと思います。マミさんちで変わった味の紅茶だと思ったら実はお酒でべろべろに酔っ払いながらだらしなく愚痴を吐いたり本音を吐いたりゲロを吐いたりすればとてもよいと思います。そんで仲直りルミナスでもすればいいんじゃないですかね。きっと当人たちがシリアスになるほど絶望的な状況でもなくて、それなりに色んなことを俯瞰できる年頃になったときに「そんなこともあったねー」なんてへらへら笑っていてほしいですよね。

まどマギの人たちは軒並み思考が潔癖なところがあり、清濁併せ呑む発想がほとんどないんですよね。だから人を超越するか露悪的に振る舞うかの両極端になっちゃう。そのせいでお互いにちゃぶ台をひっくり返し合って、一人ぼっちになっちゃダメだよとブーメランを投げ合いながら、まどか(白)とほむら(黒)でお互いを救い合うオセロゲームみたいくなっちゃってるところありますね。かわいいです。

きっと正しすぎるさやかの分をまどかが間違えて、正しすぎるまどかの分をほむらが間違えて、そうして誰もが誰かの分を間違いながら進んでいくお話なんじゃないですかね。そうして次はほむらちゃんの分を誰かが間違えてあげる話になるといいなあ。

彼女が気づいていないこと、あるいは黙殺していることは多くあります。一番気になるのはお花畑のシーン。あのまどかは確かに本当のまどかだけれど、それは円環の理としての記憶を失っているまどかであり、まどかの全てではありません。一人ぼっちになるのは辛いことと語っているのはきっと本心でしょう。でも、どんなに辛いことだとしてもまどかはそれを既に成してしまったのであり、決断を下してしまった以上、そこにいるのは過去のまどかです。
ほむら自身が変化したような「成長」の可能性を、まどかに対しては黙殺してしまってるんですよね。この映画に後味の悪さを感じている人はもしかしたらこの辺が引っ掛かっているのかも。
ほむらの「叛逆」に対してまどかがカウンターを食らわせるとしたら、この部分は無視できない気がします。円環から切り離されながらも、まどかは再び「成長」し、二度目の、あるいは二人目の円環になってしまう可能性を秘めている。


だいたい、悪魔さんはまだまだ欲深さが足りないんですよ。人間としてのまどかを取り戻したくらいで罪を背負った気になってちゃだめっすよ。前半パートを見る限り、ほむらちゃんはまどか以外とも仲良くしたかったのは明らかじゃないですか。マミさんが苦手なのは扱いかねているというより彼女の繊細さに心を痛めてのことだし、佐倉さんへの信頼の寄せっぷりがダダ漏れでロリポップを受け取ったときの反応がすごく素っぽくてその場で迫られてもOKみたいな態度でしたし、さやかちゃんが好きです、でもまどかちゃんの方がもっと好きですって感じでホーリークインテットしたいわけじゃないですか。
無意識に自分の欲望を抑えつけているし、必要以上に自罰的で、ことさらに自分のことを悪魔悪魔だって言ってるのは罪悪感からくる心細さの裏返しにしか見えません。その手にはもっと多くのものを載せたっていい。きみはもっと我侭になれ!
でもまどかちゃんの言葉を後追いするばかりだったほむらちゃんが初めてNOを突きつけたのは大きな進歩だと思います。このまま婚姻届も突きつけましょう。



しかし叛逆からあとはどう続くんだろうなあ。マミや杏子はもう物語上の役割を終えてしまって、もはやまどかとほむら以外の人物は不要なのではないかと思えてくる。たぶん魔女や魔獣もいらないし。インキュベーターも登場人物というよりは舞台装置だし。
続きがあるとしたら、まどかとほむらを天秤に掛けるような第三者が出てくるのかなあ。ちなみにこの第三者の役割はおそらくさやかちゃんには不可能で、彼女には円環さんの狂気や悪魔さんの妄執に匹敵するような動機がない。悪魔ほむらを責めるときも、円環の理を逸脱したことへの非難であって、それは円環の理のかばん持ちとしての立場を越えるものではなかったし。


ともあれ、ほむらちゃんは愛と論理しか身に付けていないのでもっと贅肉を付けてあげたいですよね。お菓子とかもっと食べよう。そしてマミさんちにホットプレートあるはずだから焼肉やろう。もっと太るんだ、ほむら!



以下、雑多なこと。

  • しかし叛逆の物語のあとで「5人で協力してワルプルギスの夜を倒そう!」という内容のバトルペンタグラムちゃんはタイミングが悪プルすぎる……
  • ついでに言うと毎号買ってる「きらら☆マギカ」にも同様の据わりの悪さは感じてしまいます。アラサーマミさんとか幼稚園児化とかは完全に本編から離れてるパロディなので平気なんですが。
  • 「このままでは円環の理が持たないときが来ているのよ!」「一人ぼっちになっちゃダメだよほむらちゃん!」「だったら今すぐまどかをこの世界に戻してみせなさい!」「……魔法少女は伊達じゃない!」→Beyond The Time
    • と適当に書いたら「Beyond The Time」の歌詞が想像以上にだいたいあってるので君の銀の庭の代わりに流れても気づかなかったかもしれない。
  • マミさんのアクションで「海腹川背」を思い出したのはきっと僕だけじゃないはず。ゲーム版はラバーリングアクションにしましょう!!
  • 中沢くんが本当にただ巻き込まれてるだけでかわいそうすぎるしまどかが迎えにくるシーンに居合わせるのは場違いすぎてかわいそうすぎる……
    • ほむらが「無意識に」結界に呼び寄せるくらいなので、早乙女先生とのやり取りはメガほむちゃんの学校生活のなかでもそれなりに印象的だったのでしょう。
  • 「キルミーベイベーで例えてくれ」という発言を見かけたので答えておくと「ソーニャがやすなに黙って殺し屋になったのでやすなが無理矢理殺し屋を辞めさせた。なおあぎりさんは忍法を忘れつつある模様」という感じ。
  • そういえばTVシリーズの頃に「杏子は一人だけ年下で小学生」という解釈を披露した人がいて僕も一票を投じたのですが、うめ先生のエンドカードでも否定されたし叛逆の物語でもあっさり芽を摘まれてしまいました。
  • あとぜんっぜん関係ないんだけどプリキュアは昼に観に行く決心がつかなくてパンフレットだけ買ってしまったという。
  • 去年の10月から目覚ましの曲を「ルミナス」にしていたのを「カラフル」にしました。