「ストライクウィッチーズ2」4話「かたい、はやい、ものすご〜い」
トゥルーデかわいい!
シャーリーかわいい!
さて、主題についてすべて書き尽くしたので以下蛇足です。
「ストライクウィッチーズ2」4話、素晴らしかった。
ウィッチーズ隊に届けられた新型ストライカーユニットの試作機。新型機はこれまでの旧型を圧倒的に上回る性能を持ち、テストパイロットのトゥルーデはぜひ採用すべきだと大はしゃぎ。しかし、その高い性能と引き換えにに搭乗者*1の魔力を著しく消耗してしまうという欠点も抱えており、これを使い続ければパイロットの生命が危ういことは誰の目にも明らかでした。
それでも、たとえ自分の身を危険に晒してでもテストを続行すべきだと主張するトゥルーデ。彼女を突き動かしているのは、かつて故国を守れなかったという自責の念と、その反動としての力への渇望です。
その一途さはトゥルーデの美点でもあり、戦う意志を支えるものでもあります。しかし一方でその態度は「強さのためなら自分を犠牲にしてもいい」という自虐含みの使命感に簡単にすり替わってしまう危険性もはらんでいます。*2 *3
シャーリーはその危険性を見抜いており、あくまでテストを強行しようとするトゥルーデを「死んでは意味が無い」といつになく強い口調で諌めます。シャーリーはこれまで、おおらかで物事にこだわらない性格として描写されてきており、強く感情をあらわにするこのシーンは非常に印象的でした。
4話は暴走気味のトゥルーデを静止するシャーリー、という構造を軸にしつつ進んでいくわけですが、この構造がクライマックスのシーンで実際の絵として表現されていて、アニメっていいなあと素直に感じました。また、1期4話では助けられる側だったシャーリーが助ける側に回っているという対比にもなっているのも思わずにやりとしてしまうシーン。というわけで1期との対比を完全にするために、DVD/BD版ではトゥルーデとシャーリーの服がバラバラになるべきだと思いました。
また、トゥルーデとシャーリーの絡みの他にも、気の利いた機転でバルクホルンを助けるエーリカ、ついでにルッキーニの子どもっぽい独占欲にまで触れた密度の高い回でした。そしてごはん係に降格した主人公の宮なんとかさんは……まあ、リーネちゃんとずっと過ごせたので当人的には良かったのかもしれません。
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さて、この回を見たとき、トゥルーデにとってシャーリーはちょうどいい距離感の「友達」なのかもしれないと思いました。エーリカやミーナだってもちろん大切な仲間なんだけど、同じ祖国のために戦った戦友という側面が強いというか、家族みたいな存在なのではないかっていう気がするんですよね。
トゥルーデの価値観って強いとか勝ち負けとかまるで小学生男子なところがあって、そんな彼女にとって「友達」とは、ささいなことで張り合ったり馬鹿みたいなことで勝負したりする相手なのではないかと思うわけなのです。
で、ひょっとしたらシャーリーは相手の望む形でコミュニケーションできる子なのかもしれませんよね。母の面影を求めて甘えたいルッキーニには母のように、張り合って遊びたいトゥルーデにはケンカ友達として。
トゥルーデの(たぶん自覚していない)望みを優しく受け止めるシャーリー。そんな彼女の懐の深さを感じた回でした。深さというか、大きさと柔らかさ?