「迷い猫オーバーラン!」(1)
「迷い猫オーバーラン!」がいい感じにかわいくてねこだいすき俺まっしぐら。
- 作者: 矢吹健太朗,ぺこ,松智洋
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/04/30
- メディア: コミック
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ちせちゃんが頭を撫でられる描写はぞくぞくするなー。寂しがり屋の彼女は、頭を撫でられるとすごく気持ちよくなってしまうのだけど、「巧は自分の家来だから」というプライドから、すぐにその手を払い除けてしまう。
「き…気持ちいい」
はっ
「う…うるさい! ご主人はあたし!! 頭なでるのはあたしなの!!」
(第2話、84-85p)
ここから読み取れるのは、彼女はまだ彼女自身の欲望に対して十分に自覚的ではない、ということだ。当初から撫でられることが目的であれば「はっ」と我に返る反応はちょっと不自然である。
もしも撫でられることを予期していたのであれば、ここは「撫でて欲しいという本心」と「巧は家来だという建前」との葛藤になるはずなのだ。
だが彼女は、それほど自覚的ではない。「なぜか気持ちよくなっちゃってるけど、なでるのはわたし!」という認識にとどまっている。まだ「撫でて欲しいけど素直に言えない」という段階には至っていない。
今後、彼女がその欲求に気がつくことがあれば、物語はいやおうなく加速するだろう。
欲望とは欠落である。欠落は、人を行為に駆り立てる。
つまり、このままだとちせちゃんはたくみっちに頭をなでてほしくてたまらなくて昼も夜もじっとしていられないだめな子になっちゃう。どうしてなでてくれないのかなあ? なでてほしいのに! なでてなでてなでて! ねえ、なでて?
Wikipediaの「依存症」の説明によると、毎回ではなくたまに得られる報酬は行為への依存性を高めるのだという。このままだとちせちゃんはたくみっちに頭をなでてほしくてたまらなくて昼も夜もじっとしていられないだめな子になっちゃう!
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■Wikipedia「依存症」
『報酬による行為の強化には、「行為A」のあとに必ず「報酬B」が与えられる定型的強化と、「行為A」のあと、気まぐれに「報酬B」が与えられる間欠的強化がある。間欠的強化のほうが、「行為A」への執着が高まることが知られており、これはギャンブル依存症発症の機序のひとつとされる』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%9D%E5%AD%98%E7%97%87